少し調べれば、たくさんのアーユルヴェーダのレシピやアーユルヴェーダのレシピ本、アーユルヴェーダのシェフを見つけることができるでしょう。でも「アーユルヴェーダ料理」というものを見つけることは決してないでしょう。それはアーユルヴェーダが単なる料理の方法だけではなく、自然のリズムというレンズを通した食べ物や人生の見方でもあるからです。
自然は絶えず変化しています。あなたが例えば家の周りで何が起きているかを注意深く見てみれば、1日として同じ日がないことに気がつくでしょう。あなたの心と体は自然を反映しています。ですから、同じようにいつも変化しています。実際に、サンスクリット語の体を表す言葉shariraは、「常に変化するもの」と訳されます。
アーユルヴェーダのシェフになるということは、自然の導きに従うということです。あなたは、ドーシャバランスや、アグニの状態、季節の旬のものや環境の変化に基づいて、柔軟な態度で料理することを学ぶのです。
ドーシャ(とアグニ)のために、どのように料理するか
皆さんに 1週間の食事計画を立てることをおすすめします。毎日食べる穀物、野菜、豆をだいたい決めておくと楽な気持ちで料理ができます。しかし、食事計画を立てる目的は、創造性を発揮させる枠組みを作ることです。書いた計画にこだわるよりも、毎晩見直し、必要に応じて次の日の計画を調整してください。
例えば、計画した野菜が手に入らないこともあるかもしれません。急に気候が寒くなったら、温めるスパイスを増やした方がいいでしょう。またアグニ(消化の火)のためには、週末はよりシンプルな食事にして消化の火を温存する必要があるかもしれません。
下で紹介している方法は、あなたのバランスの状態を基にした、いくつかの調整方法です。しかし、これを使うにあたっては、あなたの体と心を観察するという決意が必要です。健康日記をつけることは、その良い始まりになります。一旦、生活の中での原因と結果を理解すれば、あなたの環境で何が起きて、どのように感じるかについて、アンテナを合わせることができるでしょう。そうすれば、食事計画を立てるのが、とても簡単になります。
今回のレシピのブログで紹介するのは、テンプレートです(実は、私たちの提示しているレシピはすべてテンプレートなのです)。下のレシピ中で、いくつものバリエーションを提示していますので、簡単に調整することができるでしょう。どんなレシピを調整するときにも覚えておいて欲しいのは、食べ物に対する欲望と実際に体が必要なものは違うということです。ドーシャがとても乱れているときには、よりそのドーシャを増やす食べ物への欲望を感じることがよくあります(例えば、 ピッタが乱れているとき には、もっとスパイスを加えたくなります。 ヴァータが高いときには乾いたカリッとしたものが食べたくなります。 カパが上がっているとき には甘いものが欲しくなります)。ただそのドーシャがちょうど上がり始めたときは、そのドーシャを落ち着ける食べ物に対して、より繊細な好みの選択をすることがわかるでしょう。あなたが何を料理するかを決めるときには、正しい声に耳を傾ける必要があります。
ドーシャのバランスを整え、アグニをサポートする方法
ヴァータを整える
オイルは、ギー、ヒマワリ油、ゴマ油が最適。多めに使いましょう。
温めるスパイスを使いましょう(シナモン、クミン、生のショウガ、アサフェティダなど)。
大麦や玄米、白米とほかの穀物を混ぜるなど、温める穀物を選びましょう。
ココナッツオイル、メープルシロップ、乾燥性の穀物(キヌア、トウモロコシ、きび)など、体を冷やす食べ物は避けましょう。
カパを整える
オイルは少なめに。ギー、マスタードオイル、オリーブオイル、ヒマワリ油が最適。
体を温める、元気づけるスパイスを使いましょう(シナモン、黒胡椒、ローズマリーなど)。
そばの実、キヌア、きびなどの軽く乾いた穀物を使いましょう。
チンゲンサイやブロッコリー、芽キャベツなどの辛味のある味を選びましょう。
ズッキーニ、キュウリ、ニンジンなどの軽く、オーグメンティングな野菜を選びましょう。
料理に適量の塩を入れます。
乳製品を最小限にします。
ピッタを整える
オイルは、ギー、ヒマワリ油かココナッツオイルが最適。
中立的または体を冷やす性質のスパイスやハーブを使いましょう(コリアンダーシード、カルダモン、サフラン、パクチー、ミント)。
辛味を抑えましょう。バランスの乱れに応じて、温めるスパイスを10〜50%程度減らします。
甘く、中程度の重さの穀物を選びましょう。(オーツ麦、大麦、白米)
黒胡椒やモリンガ、ルッコラ、ハチミツなど、辛味や温める食べ物を避けましょう。
バランスの取れたアグニを取り戻す
アグニ が弱まっているときにはギーが最適です。
すべての料理に適量のスパイスを使いましょう。その際、ミネラル塩とショウガを含めることを忘れずに。
キッチャリーのように一つにまとめた料理が、一番早くアグニを修復します。
白米や挽き割りムング豆のように、消化しやすい穀物や豆を選びましょう。
何か一つが多すぎたり、少なすぎたりしないように、程よい量の食事を摂りましょう。
食事に6つの味を入れましょう。
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食事の間に間食をせず、食事を作るときにも味見をするのを避けましょう。
柔軟に料理をするためのレシピ:Hale Puleボウル
4人分
準備時間: 1 時間
オーグメンティング&エクストラクティブ
穀物
材料(アメリカの1カップは約240ml)
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穀物 ・・・ 1カップ(例:白米、玄米、キビ、大麦など。いくつかを組み合わせても良いでしょう。玄米を使う場合には1〜8時間水に浸けておくと消化にもよく、調理する時間も短くなります)
水 ・・・ 2カップ
オイル ・・・ 小さじ2(例:ギー、ヒマワリ油、ココナッツオイル、オリーブオイル)
ミネラル塩 ・・・ 小さじ¼
作り方
炊飯器を使う場合:すべての材料を炊飯器に入れて、蓋をし、スタートボタンを押します。
コンロで調理する場合:鍋にすべての材料を入れて、ぴったりと閉まる蓋をします。沸騰させてから、弱火にして加熱します。穀物に応じて15分〜40分加熱します。
豆類
材料(アメリカの1カップは約240ml)
一晩水に浸けた豆 ・・・ ½カップ(例:挽き割りかそのままのムング豆、小豆、黒目豆、ひよこ豆など)
オイル ・・・ 大さじ1(例:ギー、ヒマワリ油、ココナッツオイル、オリーブオイルなど)
ミネラル塩 ・・・ 小さじ½
コリアンダーパウダー ・・・ 小さじ1と½
クミンパウダー ・・・ 小さじ¾(ピッタが高い場合には減らします)
生のショウガ(刻むか、すりおろす) ・・・ 小さじ1(ピッタが高い場合には減らします)
ターメリック ・・・ 小さじ¾(ピッタが高い場合には減らします)
昆布(小さく切る) ・・・ 小さじ2(カパが高い場合には減らします)
アサフェティダ ・・・ 小さじ¼(ピッタが高い場合には省きます)
作り方
圧力鍋にオイルを入れて温めます。
塩を入れ、スパイスと昆布も入れて、香りが出るまで温めます(1〜2分)。
豆を入れて炒め、オイルをまとわせます。
水を3センチほどの高さまで入れます。
蓋をして、圧力がかかるまで強火で加熱します。
圧力がかかったら弱火にして、豆の種類に応じて18分〜25分間加熱します。
オーグメンティングの野菜のグリル
(写真はサツマイモです)
材料(アメリカの1カップは約240ml)
作り方
小さな鍋にオイルを入れて温めます。
塩とスパイスを入れて香りが立つまで温めます(1〜2分)。
ハーブを入れて、もう1分加熱します。耐熱皿に野菜を並べて、2のオイルとスパイスを野菜にかけます。
よく混ぜて、オイルとスパイスを野菜に絡ませます。底が隠れるくらい水を加えます。
190度で15分〜30分焼きます。野菜の種類やサイズによって時間を調整してください。
エストラクティブの野菜のソテー
材料(アメリカの1カップは約240ml)
葉野菜(刻む) ・・・ 4カップ(例:ケール、カラードグリーン、ビーツの葉、チンゲンサイ、キャベツ)
オイル ・・・ 大さじ1と½(例:ギー、ヒマワリ油、ココナッツオイル、オリーブオイル)
ミネラル塩 ・・・ 小さじ⅓
コリアンダーパウダー ・・・ 小さじ2
フェンネルパウダー ・・・ 小さじ1
作り方
大きなソテーパンにオイルを入れ温めます。
塩とスパイスを入れ、香りがするまで温めます。
刻んだ葉野菜を入れて炒め、オイルとスパイスをまとわせます。
葉野菜の¼くらいの高さまで水を加えます。
弱火にして、蓋をして葉野菜が柔らかくなるまで加熱します(約5分〜10分、葉野菜の種類によって調整してください)。
このレシピのテンプレートを使って、あなたは何を作りますか? ぜひインスタグラムであなたの作った料理に@halepule_japanとタグ付けして投稿ください。あなたの投稿をお待ちしています!