すべてのドーシャのためのサットヴァな料理

「こんなにシンプルなのに、なぜこんなにおいしい料理ができるのですか?」と、Hale Puleのアーユルヴェーダとヨガのトレーニングに参加した方々から、よく尋ねられます。私たちが料理する上での隠し味、それは「sattva サットヴァ」なのです。

サットヴァとは、バランスと調和を意味し、自然界や生命のあらゆる部分に存在する本質です。それは人生における甘美のエネルギーで、私たちを神聖な存在へと近づけてくれるもの。キッチンでこの性質を養えば、あなたの作る料理は美味しい料理をはるかに超えた、癒しの冒険となるでしょう。

アーユルヴェーダ・シェフ・トレーニングでは、すべてのレシピにおいてサットヴァを一つ目の材料にするよう指導しています。もちろんサットヴァの性質を持つ食材で食事を作ることも大事ですが、一番大切なのはあなたのエネルギーです。料理をする人として担うその重要な役割を、あなたのエネルギーに乗せることが何よりも大切です。

サットヴァな料理はすべてのドーシャを養います

私たちは大人数のために料理をすることがよくあります。生徒さんや訪問者は、さまざまなバランスの乱れやまったく異なる体質でやってきます。多くの家族が同じ問題に直面していることでしょう。ある人はヴァータのバランスが崩れ、別の人はピッタが過剰すぎる。サットヴァな料理がその解決策です。様々なサットヴァな材料を使うこと、新鮮なうちに調理すること、一度に食べ過ぎないようにすること、キッチンのエネルギーを整えることで、家族全員のためのすべてのドーシャをサポートする食事ができます。(家族の誰かが極端にバランスを崩している場合は、アーユルヴェーダのプラクティショナーと一緒に献立を考えることをお勧めします)。このようなアプローチをとれば、体に自然にバランスを取り戻すチャンスを与え、追加でセラピーを受けなくてよくなることが多いです。

サットヴァなキッチンを作るには

キッチンを癒しの神聖な場所と考えましょう。これは、あなたと料理をつくるあなたのエネルギーから始まります。あなたがキッチンに持ち込むものは何でも、料理に反映されます。例えば、仕事でストレスの多い一日を過ごして帰宅した場合、気持ちが散漫になって塩を入れるのを忘れてしまうかもしれません。一日中ソファでゴロゴロしていたなら、あなたは、tamas タマス(惰性)のせいで、agni アグニ(消化の火)を弱める重い食材に手を伸ばすかもしれません。料理を始める前に、自分のバランス状態に正直になりましょう。料理を始める前に数分、自分自身をグラウンディングさせ、これから調理する食事との神聖な体験を作りましょう。


あなたが作るすべての食事にサットヴァをもたらすヒントをご紹介します:

  1. 包丁を手にする前に、マントラや短い祈りを唱えましょう。その料理とそれを食べる人々に対するあなたの愛に満ちた意図を思い浮かべてください。食事の準備をしながら、この意図を思い出してください。途中で投げ出したくなったり、気持ちがわからなくなったりしたら、手を止めてマントラや祈りを唱え、今この瞬間に立ち戻るようにしましょう。

  2. 音楽やテレビを消し、携帯電話などの電子機器をキッチンに置かない。準備中の食事に、100%の意識を向け平安な心持ちで料理を始めます。

  3. 道筋をつけることで、創造性を発揮させましょう。ヴァータは創造性を司っています。そのヴァータは、きちんと組み立てられたものを好みます。ですから食事計画を立てて、様々なサットヴァな調理法(ソテー、焼く、煮る、蒸すなど)を使いましょう。始める前にすべての食材に目を向けて、それぞれがどう1つにまとまっていくかの意図を定めましょう。

  4. 手をこまめに使いましょう(ただし手は清潔に保つ)。食材のエネルギーを手で直に感じることができます。さらに、手で触ればしっかりと混ざっているか、やprana プラーナ(生命力)が欠けていないか、がよくわかります。手を使うことで食事にあなたの癒しのエネルギーを直接込めることもできます。

  5. 考えるのではなく、感じて調理する。例えば、スパイスを入れるときは計量スプーンではなく、指を使います。適量をつまめるように直感を養いましょう。分量は体のニーズや季節によって変わることを念頭に置き、これまでのやり方への執着を捨てましょう。

  6. ひらめきと創造性のためにレシピを利用する。過去の料理や誰かがイメージした料理を再現しようと躍起になるのはやめましょう。天候、時期、あなたのエネルギー、その他多くの要素が、最終的な出来栄えに関わってきます。過去を再現しようとしがみつくのではなく、今この瞬間の体験とともに流れに乗りましょう。

意識して料理をすることは、より目覚めた人生を送るための一歩です。料理を神聖な行為としてとらえるようになれば、自分自身を養うことがいかに癒しの行為であるかに気づくようになります。この気づきこそが、日々の作業を愛に満ちたスピリチュアルな実践に変えるのです。

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