キッチャリーにアレンジを加えることはできますか?
ギーや米、ムング豆などの主要な材料がなくても、キッチャリーを作ることは可能かどうか、よく聞かれます。
答えは、イエス。でも、似たようなものは作れますが、私たちはそれをキッチャリーとは呼びません。 その代わり、穀物、豆類、野菜の組み合わせから作られる煮込み料理と考えます。バスマティライスと挽き割りムング豆が入っていても、古典的なシンプルなキッチャリーではありません。
煮込み料理は何と呼べばいいのでしょうか?
キッチャリーを工夫して新しい食材を加えたりしたものは「アーユルヴェーダ鍋」と呼べるでしょう。アグニのバランスがほどほどに取れていて、症状が軽いときに楽しむ料理となります。
なぜ、「アーユルヴェーダ鍋」とキッチャリーの違いを理解することが重要なのでしょうか?
それは、キッチャリーが治癒と回復に特別な役割を担っているからです。
キッチャリーはシンプルです。必ず米とムング豆、ギー、塩、ターメリック、ショウガで作られます。もし他のスパイスがあれば、消化を助けるために1、2種類加えることもできます。それだけです。
キッチャリーは、汁気のあるお粥です。消化を損なわずに肉体に滋養を与える食べものです。そのため、非常に特殊な状況で食べられます。
重くならずに満足でき、エクストラクティブにならず滋養を与え、そして健康的でシンプル。最も重要なことは、体が自然に調整され、リセットされ、回復することです。
以下の場合に最も推奨されています:
回復期において
病中・病後
ストレスの多い時期
産後
手術後
断食時(食事を断つことは稀で、むしろ複雑な食事と量を減らす)
パンチャカルマ
消化機能が弱まっている、または低下している場合
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高齢者、幼児で消化器系が弱い、遅い、発達途上などの場合
キッチャリーの材料
米、ムング豆、スパイス、ギー、水が、キッチャリー を作るのに必要な材料です。
米は、ヴァータ・ドーシャのバランスを保つため、キッチャリーに欠かせません。米はバランスのとれた食事の中で、オーグメンティングの部分を構成しています。つまり、米は体を落ち着かせ、グラウンディングさせると同時に、体の組織を作り、栄養を与えます。最も重要なことは、水分を含んで炊かれた米は、大腸で便の大部分を形成するため、排泄を容易にすることです。
ムング豆は、バランスのとれた食事の中で、エクストラクティブの部分を構成しています。エクストラクティブの食べ物は、本質的に浄化作用があります。これらの食べ物は、消化するために何かを手放すよう体に働きかけます。また、これらは健康な脂肪を分解するのに不可欠です。アーユルヴェーダではムング豆は他の豆類より軽く、消化が良く、栄養価も高いので、割いたもの、または丸ごとのものが好まれます。ムング豆の渋みと苦み、そして米の甘み、この2つの組み合わせは、最もシンプルでバランスの取れた食事と言えるでしょう。
ギーは、agni アグニ(消化の火)を起こし、潤滑を保つという基本的な役割を担っています。これは、消化のプロセスを円滑にします。ギーは、関節や生殖器官を含む体のすべての組織に深く栄養を与える唯一、オーグメンティングであるオイルです。
ギーは、他のどの油よりも体内で吸収されやすく、消化されやすい油です。消化に伴う余分な負担を軽減することは、ドーシャ 、特にヴァータにとって非常に有益です。上記のシナリオはすべてヴァータが過剰になった結果なので、ギーとスパイスを使ったシンプルなキッチャリー が治癒のプロセスに最も効果的です。
ギーは温める作用も冷やす作用もないので、3つのドーシャうちのどれかを誘発することはありません。
ギーはアグニをサポートしますが、他のオイルはアグニに挑戦を挑むことになります。
ギーは、顔色、目、鼻、知性、記憶に良いとされています。
消化機能を回復させ、自然な健康状態へと移行させたいのであれば、これらの要素をすべて取り入れることがベストです。これらの食材を組み合わせることで、自然界に存在する5つの元素をすべて摂取することができ、心身のバランスを整えるきっかけとなります。
キッチャリー では、水も重要な役割を担っています。水を多めにすると、お粥や重湯ような汁気のあるものになります。これは病気の回復期に最適です。米とムング豆はほとんど溶けた状態になるこちらとは反対に、水を少なめにすると濃厚なお粥になります。
病気回復のためのキッチャリー
病気や手術、外傷から回復したときには、まずシンプルなお粥を食べます。最後のバリエーションがキッチャリーですが、その由来を知ることで、このヒーリングメニューの背景を知ることができます。以下にサンスクリット語の名前と比率を示しますので、参考にしてください。
マンダ:バスマティ白米1カップに対して水6カップ
ペヤ:バスマティ白米1カップに対して水4カップ
ヴィレピ:バスマティ白米1カップに対して水2カップ
ユシャ:バスマティ白米3/4カップ、挽き割りムング豆1/4カップ、水2-4カップ
オダナ:バスマティ白米1カップ、水1½カップ
キッチャリー:バスマティ白米3/4カップ、挽き割りムング豆1/4~1/3カップ、水6カップ
どのバリエーションを選ぶにしても、米とムング豆にしっかりと火が通っていることを確かめてください。例えば、免疫力や消化力が最も弱い時期には、マンダのようなお粥、アグニや消化力の強さが改善するにつれて、時間をかけてゆっくりととろみをつけていくのがよいでしょう。
用語について:Hale Puleでは、バスマティ米を使った上記の最初の4つのレシピを「Kunyi クニ」と呼んでいます。クニは南インドで使われている口語的な言葉です。また、congee カンジーと呼ばれることもあります。