アーサナのクラスで、やり方を知らないのにポーズをとっている自分に気がついたことは何度ありますか? これは早いペースで進むスタジオのクラスではよくあることで、多くのヨギーがケガをする原因でもあります。
多くの街でヨガスタジオを見かけるようになるずっと前は、アーサナを習得するには何年もかけて熱心に学ばなくてはなりませんでした。一人の生徒が一人の先生について何年も勉強し、先生からの学びと合わせて自主練習も行いました。その練習の最終的な責任は、生徒自身が負っていたのです。
そのような学び方においては、進歩は着実で、それに伴う結果はパワフルでした。生徒は、いかにアーサナ(やそれ以外の支則)が体の微細な通り道をクリアにし精神を落ち着かせるかということをきちんと理解した上で、地に足をつけた鍛錬を発展させていきました。そして彼(彼女)らは、自身の体と健全な関係を築き、自分自身のことをより深く知ることができるようになるのです。これが、私たちがHale Puleのヨガ トレーニングで目指している教え方であり、私たちは誰もが皆一生かけて学び続けるのです。
土台から築くヨガ
今月はアドームカ・シュヴァーナーサナ(下向きの犬のポーズ:ダウンドッグ)のチュートリアルを行います。アーサナ練習の基礎に立ち返ってみましょう。
アド・ムカ・シュヴァーナーサナ(下向きの犬のポーズ)では同時にいろんなことが起きています。まず必須なのは背骨が伸びていることですが、それと同時に逆転と前屈も行なっています。ハムストリングスを長く伸ばし、脚の前側の筋肉を強化します。肩を広げて背中の上部と首の緊張を解放します。もし1日に1つのポーズをとる時間しか取れないときには、アド・ムカ・シュヴァーナーサナ(下向きの犬のポーズ)をやってみると良いでしょう。
下を向いた犬のポーズをするには
Surya Namaskara スーリヤ・ナマスカーラ(太陽礼拝)の中で、アド・ムカ・シュヴァーナーサナ(下向きの犬のポーズ)を急いでやることに慣れてしまっているかもしれません。しかし、本当はアド・ムカ・シュヴァーナーサナ(下向きの犬のポーズ)は、元気を回復させてくれるポーズなのです。主な力の源として、腕の力に頼るのではなく、どのように骨盤底や脚を使うかを学ぶと、なぜこのポーズが立ち止まり地に足をつけたポーズであるのかを理解するでしょう。
時間をかけ微細に位置を変えながら調整してください。位置が違うとこのポーズのすべてが違ってしまいます。肩や肘、膝の伸びすぎに注意してください。上腕の骨を回転させ頭から離し、肩甲骨をウェストの方に向かって引き下げます。この状態で15〜20呼吸分キープしてから解放し、このポーズの恩恵を存分に味わってください。
アーサナの概要
Hale Puleでは、アーサナのポーズを3つの要素:エッセンス(ポーズの意図)、アンカー(大地に根付かせる場所)、ストレングス(力を発揮する筋肉)に分けて考えます。
これは、体のどこがグラウンディングしているか、きちんとしたアライメントのためにどの筋肉を使っているかという、ポーズの意図をシンプルに覚えるためのツールです。正しいアライメントによって最適なエネルギーの流れをサポートし、末長く、持続可能な練習の環境を作りましょう。
エッセンス:背骨の伸び、体の後ろ側を伸ばす
アンカー:手の平と脚の裏
ストレングス:骨盤底と脚
土台から築くアド・ムカ・ シュヴァーナーサナ
四つん這いの姿勢から始めます。手は肩幅に開き、手首のシワがマットの前面と平行になるようにします。
足を5センチほど後ろに引いてから腰幅に開きます(腰幅がどのくらいかわからないときは、幅が一番広い部分の足の間に拳が入るかテストしてみましょう)
手のひら、特に人差し指の第一関節を押し、その力を腕と胴体にも広げていきます。お尻を上げて後ろに引き、尾てい骨を起点に背骨と背中をまっすぐに伸ばします。背骨の伸びをキープしておきながら、できるだけ脚もまっすぐに伸ばします。(ここで土台をしっかりとさせたいので)膝を曲げても構いませんが、背骨をまっすぐにキープできるギリギリのところまで膝も伸ばしてみましょう。上腕の骨を回転させて耳から遠ざけ、肩甲骨は腰の方に近づけます。耳は上腕の間に来るようにします。視線は足の親指かおへそを見るようにしますが、頭はまっすぐ背骨の延長線上にあるようにしてください。
ポーズの軽減法
背骨がまっすぐに伸ばせる位置まで膝を曲げます。
背骨をまっすぐに伸ばすのが難しければ、壁を使って練習してみましょう。
よくある間違い
腰が丸くなってしまう。
背骨がまっすぐに伸びなければ、必要なだけ膝を曲げましょう。
肘や膝が伸びすぎてしまう。
過伸展になりがちな人は、肘を少し曲げてまっすぐな状態を保ち、このクセをなくしていきましょう。これが通常の練習に取り入れられるようになると、エネルギーの流れがとても強くなるのが感じられるでしょう。
肩が伸びすぎてしまう。
背中の上部を広げたまま肩を使って押すのは避けましょう。肩や上腕の骨を外側に回しましょう。
指がしっかりと地面を捉えていない。
このポーズの土台は指関節(特に人差し指)がマットをしっかりと捉えていることで作られます。これによって上腕二頭筋や関節に無理がかからず、手首の痛みを緩和することができます。