アーユルヴェーダのキッチンの整え方

アーユルヴェーダは、私たちが本来持っている健康と喜びの状態を取り戻すための基盤を提供してくれます。「食は薬なり 」という言葉があるように、私たちの食事の一口一口が、体、心、魂の調和とは何を意味するのかを再発見する機会となります。新鮮な食材を家庭で調理することを心がけることで、真の健康への道のりがスムーズになります。なぜなら、何をどのように食べるかを、自分自身で決めることができるからです。

アーユルヴェーダのキッチンを整えるのに、お金や手間をかける必要はありません。むしろ、複雑な道具を手放して、何世紀にもわたって料理人が愛情を込めて調理に使ってきたシンプルな道具を置く場所を確保することで、散らかりを解消することができます。

アーユルヴェーダのキッチンで備えるべき必需品をリストにしました。これらのアイテムさえあれば、あとは全粒穀物、豆類、新鮮な野菜、そして少しの愛情で、サットヴァな食生活を送ることができます。

調理器具

何を使って調理するかは重要です。ガラス、銅、ステンレス、鋳鉄、ストーンウェアなどの調理器具を選ぶと、ノンスティック素材やアルミニウム素材から出る有害な化学物質を出来立てのアーユルヴェーダの食事に混入させてしまうことがありません。また、高品質な素材を使った調理器具は、安価な素材を使ったものよりも長持ちします。

  • 蓋付きの鍋 1~2個:2リットルと/または4リットルの鍋があれば、ほとんどのニーズに対応できます。
  • ソテーパンまたはフライパン(蓋付き) 1個
  • 圧力鍋 1個:自分にとって最も理にかなったサイズを選びましょう。4人家族であれば、8リットルの圧力鍋で十分です。圧力鍋の仕組みがよくわからない方は、 圧力鍋の購入と使用に関する簡単なガイドをご覧ください。
  • 高品質の万能包丁とペティナイフ:包丁は投資すべき道具ですが、包丁セットを全部買う必要はありません。良い包丁が2本あればいいのです(他の道具から離して保管するか、刃のカバーで保護して切れ味を保ちましょう)。買う前に、ナイフを手に取ることができる店に行ってみましょう。重すぎず、軽すぎず、手に馴染むものを選びましょう。
  • 炊飯器:内釜がステンレス製のものが良いでしょう。(日本の炊飯器の多くは、外側はステンレス製ですが、内釜には化学的なノンスティック加工が施されています)。野菜と穀物を同時に調理できる便利な道具、蒸し器が付いているものを探しましょう。また、圧力鍋でご飯を炊くのも良いでしょう。
  • 電気圧力鍋:インスタントポットやマルチクッカーなどと呼ばれます。炒めたり、温めたり、圧力をかけて米や豆、スープなどを調理することができる電気圧力鍋です。タイマーが装備されているので、朝出勤するときにセットしておけば、午後には調理が始まり、帰宅したときには出来上がっているということも可能です。これが2台あれば、炊飯器と圧力鍋の代わりになります。
  • ざる/ストレーナー:中くらいの大きさで、網目が細かいものを選びます。
  • ボウル 1~2個:サイズ違いのセットで販売されていることが多いです。
  • 広口の蓋付きガラス容器(大) 12個:プラスチック製の保存容器を捨てて、手頃な瓶を使って、乾物や自家製ギーを保存しましょう。蓋には、中に何が入っているか、いつ購入したかを書いておきましょう(書いた後に剥がせるワックス鉛筆やテープを使うとよいでしょう)。
  • 調理器具:木製またはステンレス製のスパチュラ、皮むき器、取り分け用スプーン1~2本、野菜を混ぜるための大きな木製またはステンレス製のスプーンが必要です。
  • 木製まな板
  • 小さな麺棒:小さな麺棒があれば、 チャパティ 作りは簡単です。いざというときには、ガラス瓶も使えます。

アーユルヴェーダのパントリーの常備食材

さまざまな種類の穀物や豆類を常備しておけば、食事の計画が簡単になり、食料品の出費も抑えられます。

真の健康は、信頼できる生産者が作った有機栽培の食べ物を食べることから得られます。農薬や遺伝子組み換え原料は、体内に毒素を取り込み、健全な消化を妨げ、問題を引き起こします。

  • 挽き割りと全粒のムング豆:最も栄養価が高く、消化しやすい豆類の一つです。挽き割りムング豆は調理が早く、消化も良いです。 キッチャリーのために常備しておくとよいでしょう。
  • 白米と玄米:白米は玄米に比べて体を冷やす性質で、軽いのが特徴です。両方ともパントリーに用意しておき、自分の体の声に耳を傾けて、その時に必要なものを選びましょう。お米にはたくさんの種類があります。私たちのお気に入りは、バスマティ米とジャスミン米です。
  • 大麦:朝食のおかゆや、お米の代わりに使うのに適しています。粉としても使えます。このナッツのような味の穀物をジェノベーゼ・ソース と混ぜてみたり、色々と試してみてください。
  • アズキ:6〜8時間水に浸しておけば、圧力鍋でもすぐに調理できます。
  • ブラウンレンズ豆、またはグリーンのレンズ豆:赤レンズ豆よりも栄養価が高く、昼食や夕食に適しています。
  • 全粒粉、またはお好みの粉:挽きたてのオーガニック小麦粉の入手先を探すとよいでしょう。プラーナは挽いたあと、すぐに分解されてしまうので、少量ずつ購入し、光の当たらない場所や冷蔵庫に保管しておきましょう。小麦粉や全粒粉を自分で挽くために、グラインダーを購入するのもよいでしょう。
  • アーユルヴェーダの基本スパイス:スパイスは料理をおいしくするだけでなく、消化器の健康をサポートします。プラーナと味を最大限に引き出すために、直射日光を避けて保存してください。
  • ミネラル塩:私たちの体は、栄養を処理し、脳の機能を正常に保つために塩を必要とします。しかし、すべての塩が同じではありません。食卓塩は高度に加工された食品であり、化学物質が含まれているため、私たちが塩から必要とする栄養分を吸収する能力を阻害します。また、 カパ・ドーシャを増加させ、むくみや心臓病などの症状を引き起こします。岩塩やミネラル塩(私たちは、ヒマラヤのピンクソルトを愛用しています)には、土壌からのミネラルが適切なバランスで含まれており、食べ物からより多くのものを体に取り込むことができます。塩を他のスパイスと一緒に調理すると、味をより引き立たせ、消化を助ける効果があることを覚えておいてください。調理された料理に後から塩を加えるのは、体にとって強すぎで、ピッタ・ドーシャを悪化させます。

料理を始めるためのいくつかのアドバイス

食事の計画:料理はシンプルで楽しいものであるべきです。食事の計画を立てるための枠組みがあることで、料理がより簡単になり、食料品の買い物で悩む必要がなくなります。Hale Puleのバランスボウルは、毎日の昼食や夕食の基本となるバランスのとれた食事をあなたに紹介することでしょう。バランスをとるための基本的な考え方を学べば、豆類、穀物、野菜、スパイスなどを入れ替えて、新しく、おいしい食事を作ることができるようになります。

ギーの作り方:ギーは、調理するものすべてにサットヴァの性質を与えるトリドーシック(すべてのドーシャを整える)なオイルです。自分で作るのは簡単で、コストもかからず、とても楽しいものです(作る間とてもいい香りがします!)。私たちは、一度に数回分を作り、暗い戸棚に保管して、常に手元に置いおきます。カパが過剰になっている場合は、中程度〜軽めの量を使用します。ヴァータが高い場合は、少し多めに使います。ギーは、毎日、3回の食事に使用するのが良いでしょう。

マイラ・リューイン著『アーユルヴェーダの簡単お料理レシピ』 には、健康への旅を始めるためのアイデアがたくさん詰まっています。お手元に置いておけば、レシピなしで料理をすることに慣れてきたときに、インスピレーションの源となります。また、ブログにもたくさんのレシピが掲載されているので、キッチンでの創造力を刺激してくれるでしょう。どんな文化の料理でも、アーユルヴェーダ的なアプローチができることを忘れないでください。あなたの健康をサポートするためのレシピのアレンジを楽しんでください!