あなたは今まで何度、あくびやくしゃみ、涙を我慢したことがありますか?そのような一見無害な行動が、病気やバランスを崩す一因になるとは想像したことがありますか?ある1人の生徒がHale Puleのヨガティーチャー・トレーニングに訪れた時のことです。
この生徒は、ヴァータ・ドーシャが高いために神経質で、体力は弱く、慢性的な頭痛を訴えていました。トレーニングの最初の1週間は、くしゃみをしたくなると、それを押し殺し、小さな音を立てるだけでした。私たちはくしゃみを出すように促しましたが、彼女はずっとこのパターンで生活してきたため、周りの人に迷惑をかけてはいけないと思い、とても抵抗があったようです。 実は、彼女は自分の身体を乱していたんです。
アーユルヴェーダでは、常に尊重すべき自然な衝動として、次の14種類を挙げています。
鼓腸(ガスが腸内に溜まる)
排便
排尿
ゲップ
くしゃみ
のどの渇き
飢え
睡眠
咳
運動に伴う速い呼吸
あくび
涙
嘔吐
射精
笑いやしゃっくりは二次的な衝動で、これも尊重されるべきものです。これらを抑圧することは、prajnyaparadha プラジュニャパラーダ、”叡智に対する罪”と呼ばれます。この”犯罪”は、体がうまく機能するために必要なことについての生来の知恵を抑圧することです。その知恵を否定することは、あなたの肉体、精神、エネルギー、スピリチュアルな身体に対して、直接的に攻撃するようなものです。
プラーナの自然な流れ
Prana プラーナ(生命力)は体の中に存在し、自然に出入りしています。14種類の衝動のうち、あるものはプラーナを内に導き(飢え、渇き、呼吸)、あるものはプラーナの流れを、あなたの体が排出する準備ができているものと共に、外に導きます(嘔吐、排尿、くしゃみ)。この自然な流れを乱すと、プラーナを誤った方向に導きます。ちょうど車が逆走するように、抑圧された衝動は体内の交通に障害をもたらし、病気の温床となります。
”叡智に対する罪”からの癒し
あなたの自然な衝動は、あなたが自分の身体とより密接につながることを可能にする贈り物です。例えば、食事の終わりにゲップをしたくなるのは、お腹がいっぱいになった証拠で、注意することで食べ過ぎを防ぐことができます。また、鼓腸(腸内にガスが溜まる)は、ヴァータが過剰であることを示すもので、その原因に対処する機会を与えてくれます。
アーユルヴェーダの教典には、自然な衝動を抑制した結果生じる可能性のある特定の病気についてが概説されています。しかし、たとえ衝動を抑えていたとしても、それを尊重し始めれば、バランスを取り戻す方法がたくさんあります。例えば、涙を抑えていると、精神的なバランスが崩れ、スピリチュアルなつながりが断たれてしまうかもしれませんし、心臓病にもなりかねません。
バランスをとるために、信頼できる友人と話したり、日記を書いたりして、溜まった感情を解放してください。尿意があるときに定期的に排尿しないと、月経障害や頭痛、尿路感染症が起こる可能性があります。温かいお風呂に入ったり、ウッタラ・ヴァスティ(薬用の膣洗浄)を実践したりして、この問題を解決しましょう。また、くしゃみを我慢していたヨガの生徒のように、ギーをはじめとするヴァータを鎮める食べ物や習慣を生活に取り入れるとよいでしょう。