生理的衝動
喉が渇いたら水分を補給し、お腹が空いたら食べ、満腹になったら止め、便意や尿意をもよおしたら緊張や痛みを感じるまで我慢するのではなく、すぐに排泄するという生理的衝動に抵抗するとどうなるか考えたことはありますか?
クライアントとの会話の中で、私はよくこのコンセプトの話をします。今日、普通だと思われていることの多くは、体、心、魂が自然に機能している状態ではありません。幼い頃から植え付けられた礼儀作法や習慣には、自然の流れに逆らうものもあります。こうしたことを永続的に続けていると、バランスが崩れ、私たちの体が自然な状態から遠ざかるにつれて、不調や問題が起こりやすくなります。
例えば、常にくしゃみを我慢しているとどうなるでしょう?頭痛や偏頭痛、感覚器官の衰え、首のコリなどを引き起こすこともあります。このような関連性を感じたことはありませんか?ある経路を塞げば、その周辺に影響するということです。
オナラを我慢すると、便秘、腹部膨満感、疲労感や、ヴァータ・ドーシャの乱れから起こる様々な不調を引き起こします。私たちは毎日、多少のガスを排出するようにできています。長期に渡ってガスが排出されないと、心臓に負担をかけることになります。
また、私のクライアントの多くは、トイレに行くことを我慢してます。これは簡単にできそうでいて、いざという時に抑えてしまうことが多いのです。その解決策は、人生を歩むペースをゆっくりにすることです。立ち止まること、意識的に呼吸をすること、体と心に意識を向けることは、自身をケアをするための支えとなるでしょう。
生理的衝動には、無意識に反応したり、忙しさにかまけるのではなく、受け入れること、今に意識を向けることを実践することが必要です。心やライフスタイルが乱れると、私たちが本来持っている身体の知恵やリズムに耳を傾けることができなくなります。私たちは、自然、つまり私たちの本質に逆らうことになるのです。
抑制してはいけない生理的衝動というのは14種類あり、こちらのブログ記事でそれらを紹介しています。どのような場合でも、自然な衝動とは、身体がバランスを取り戻すために何かを排出しようとするものです。ここで重要なのは、生理的衝動を抑えるのではなく、歓迎してあげることです。そうすることで、流れがよくなります。生理的衝動は、あくまでも自然なものであることを忘れないでください。
マインドの衝動
生理的衝動は満たされなければなりません。そうでなければ、身体が本来持っている叡智に逆らうことになります。生理的衝動は、身体がバランスを保ち、正しく機能するために必要なものです。
例えば、涙やオナラは排出されなければ、病気の原因となります。喉の渇きや空腹感には、食べ物や水で体をサポートし、栄養を与えることが大切です。マインドに関しては、sattva サットヴァ(バランス、調和)から私たちを遠ざけてしまう衝動があるのです。説明しましょう。
マインドの衝動の根本的な原因は、過去の記憶や経験、トラウマです。その根本的な原因を感じないように、マインドは気をそらそうとしますが、実際には過去を清算し癒すことを妨げます。
その結果、raga ラーガ(執着)や依存症のサイクルが発生します。このようなマインドの衝動は、私たちを本来の姿から遠ざけます。
何も必要ないときに買い物をする。家で洋服を試着する、オンラインで何かを注文しては返品する。ギャンブル、飲酒、過食。。。1時間前にお腹いっぱい食べたのに、冷蔵庫の前でドアを開けて立っている。
これらの行動や思考は、優柔不断、人生から目をそらすことを助長します。多くの時間とエネルギーを費やし、短期的な喜びの後に虚無感をもたらします。
また、自分でも気づかないうちに、何かに違和感を覚えることがあるかもしれません。そんな時、周囲の人の行動や考えをコントロールしようとしてしまうことはないでしょうか?あるいは、他人からどう思われるかを変えようとすることはありませんか?すべては幻想なのです。こういった行動は、単に人を操り、自分の本来の姿から目を背けているにすぎません。
あなたは、燃え尽き症候群になりそうなほど、多くのことをやりすぎていませんか?昼も夜も忙しく、やらなければならないことには終わりがないように見えます。カレンダーを義務で埋め尽くしていませんか?そして、必要なときに「いいえ」と断れなかったり、したいときに「はい」と言えなかったりしていませんか?
このようなサイクルに陥っていることに気づき、代わりにサットヴァの方向へ踏み出すことを練習してください。その瞬間に自分自身と自分のマインドをとらえ、「もうそんなことはやめよう」と自分に優しく言うのです。そうすることで、エネルギーがシフトし、変化が起こるのです。