アーユルヴェーダ簡単お料理レシピ:スパイスミルク

あなた自身をカップに例えます。ある日は、カップが満たされているように感じます。生きていることが実感できて、どこも欠けているところがなく、持っているものに心から感謝ができます。ところがまたある日はカップが空っぽに感じ、補充せずに与えるばかりで、疲れて燃え尽きたように感じます。そういう時は、心と体を再チャージしなければなりません。健康で活力溢れる本来の姿を取り戻すのです。今夜、あなたのカップをスパイスミルクで満たしましょう。

アーユルヴェーダのセルフケア

アーユルヴェーダは滋養を処方します。 アビヤンガや夜に温めたミルクを飲むなどの小さな行動が、全てにおける健やかさを作ります。ささやかな、でも健康的な方法で自分自身に多くを与えれば与えるほど、自分のためにならない、感覚的快楽に耽る誘惑にも惑わされることが少なくなります。あなたの滋養となる行為を日常的に実践するようになると、あなたの人生にバランスの土台が作られます。外の世界に困難な出来事が持ち上がっても、あなたはこの土台によって支えられているのです。

 

既にディナチャリャ(日中のセルフケアの大まかな流れ)を確立している人もいるかもしれません。けれど、夜に温めたミルクを飲んでホッとすることも、1日を終える素敵なやり方です。食べものは万能薬です。そしてアーユルヴェーダでは、牛のミルクは最も滋養があり、栄養価の高い食べものと考えられています。牛のミルクは、私たちにダイレクトにプラーナを供給することができます。だから、体力が落ちた時やエネルギーが枯渇している時にこれを飲めば、ojas オージャスが再建され、私たちは生きることの意欲を手に入れることができるのです。

夜に飲むミルクは、セルフケアとしても役に立ちます。寝る前のおやつを防ぎ(もちろんこんなことをすればagniアグニすなわち消化の火を弱らせます)、深く安らかな睡眠を助けてくれるのです。巷にはライスミルクやナッツミルクがたくさん出回っていますが、牛の新鮮なミルクに勝るものはありません。牛のミルクのどっしり感で、散漫になったヴァータの心をグラウンディングさせ、乳製品の持つ冷却の質で、 ピッタの火に湿り気を与えます。牛乳でカパを増やすこともできますが、特にカパのアンバランスがなければ、少量のミルクにスパイスを入れるだけで十分です。

​アーユルヴェーダで見る牛のミルク

人間は、何世紀もの間、牛のミルクを飲んできましたが、近年、数多くの不確かな情報が氾濫しています。世間では、消化性と倫理、健康を懸念しているのです。ですが、今私たちが知っている牛のミルクという概念を頭から振り払って、牛のミルクは人類が何千年にも渡って飲み続けてきた、という事実に目を向けてみましょう。この懸念はアンバランスな生活の結果であり、牛のミルクそれ自体は問題ではないことが見えてくるでしょう。

人類の歴史の中で、牛のミルクが現在のように消費されるようになったのは、ごく最近のことです。扱いのぞんざいな牛からミルクを絞り、加工度が高い、冷えたミルクを大量に注ぐ。このような消費の仕方は、それまで存在しなかったことです。こうした変化が、ここ50年で取り沙汰されるようになった食物不耐性の原因です(アンバランスな食事で弱められたアグニはまた、乳製品やグルテンを始めとするその他の食品の消化を困難にします)。そして、大規模な商業規模の酪農業によって、多くの環境への影響が生まれています。

アーユルヴェーダの提案する新しいミルクの飲み方は、あなたとこの極上の食べものとの関係を覆してくれるでしょう。ミルク本来の性質に合わせてミルクを飲むことで、雌牛の与えてくれる贈り物に感謝をし、からだを健康にする夜の日課を楽しむことができます。

ミルクとポジティブな関係を築ける方法をここにいくつか紹介します。

  1. 倫理を守る酪農業を支えるために時間とお金を費やす。販売用の、大消費市場向けのミルクを生産する乳牛は、本来値するだけの敬意を持って遇されていません。これを変える方法は、あなたが別のものを支持しようと決意することです。まずは手始めにオーガニックのミルクを買うこと。あなたの家の近くに高品質の生乳を販売しているところはないか探してみてください。このようなミルクは高価ですが、その品質はお店で手に入るものとは比較にならないほどです。このようなミルクを買うことは、あなたの健康とカルマへの投資なのです。

  2.  Dwandaドゥワンダ(完全性)でミルクを飲む。自然によって私たちに下された食べものは、素材丸ごと、そのままで完璧です。これがアーユルヴェーダでいうところのドゥワンダで、1つの食材のすべてに意図があるという概念です。例えば、全乳の脂肪分は脳と神経系を保護します。生乳に含まれる酵素は脂肪分の消化を助けます。自然によって私たちに下された贈り物をホモジナイズ(均質化)や脂肪分の除去でバラバラにすれば、単純な話、あなたの消化力はそれを食べものと認識できないのです。少なくとも、オーガニックのミルク、そして理想を言えば均質化をしていないノンホモ牛乳を購入しましょう。中でも生乳こそが最大のドゥワンダを持ち、最も滋養溢れるミルクです。

  3. 温め、スパイスを入れて飲む。ミルクはどっしりしています。そして、素材丸ごとで飲むミルクには、こってりと栄養価の高い脂肪分がたっぷりと含まれています。冷やして出せばアグニを減らし、消化しづらいミルクになります。ギーと消化を良くするスパイス(下のレシピ参照)を加えれば、ぐんと吸収が良くなり、味わいも深くなります。何より、温めたミルクは栄養の贈り物なのです。

  4. 一度に飲む量を少なくする。ミルクを贈り物として見てみると、今まで以上に感謝の気持ちが沸き起こります。牛乳パックから直接がぶ飲みなんてもうできないでしょう。そうではなくて、コップ半分だけのミルクを温め、夜の日課としてゆっくりと少しずつ飲むのです。そうすれば、あなたとミルクとの結びつきを感じるようになります。

Hale Puleのホットミルクのレシピをお試しあれ。ミルクがこれほどまでに滋養溢れる飲み物になるのだ、ということを体験してみてください。電子機器の電源を落として、こぢんまりした居心地のいい場所に座り、1日を振り返りながら、静かに丁寧にミルクを飲み干してください。

温めたスパイスミルク

1人分

スパイスにはいろんなオプションがあります。からだのニーズに合わせてお好みで選びましょう。フェンネルとブラックペパーの組み合わせやクローブとカルダモンの組み合わせもお気に入りです。ナツメグを少し加えれば穏やかな眠りを誘います。

材料(アメリカの1カップは約240ml)

オーガニック、ノンホモの全乳(生乳がベスト) ½カップ

ギー 小さじ½

シナモン 小さじ⅛

カルダモン 小さじ⅛

ハチミツ(非加熱の生のハニーを選ぶ)かメープルシロップ 小さじ1(ハチミツは温める性質、メープルシロップは冷やす性質)

作り方

ギーとスパイスを小鍋に入れ、ミルクを加える。

  1. 火にかけて、ミルクの端の方が沸々してきたらすぐに火を消す。

  2. そのままメープルシロップを加えるか、ハチミツなら少し冷ましてほどほどの熱さになってから加える。

  3. 静かになれる場所を探し、くつろいでこの贈り物を楽しみましょう。

 
 
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