最近ではあちこちで緑色野菜が見られます。生のままサラダに。ピューレにしたり、スムージーにしたり。オーブンで焼いてチップスに。健康に気を使って食事をする人が増えているのは喜ばしいことですが、少量食べて体に良いのならたくさん食べればもっと体にいいのではないか、などと考える人が出てきますが、そういうことは決してありません。むしろ逆で、どっしりとグラウンディングさせてくれる栄養価の高い食べ物を十分食べず、緑色野菜ばかりを食べすぎれば、たちまちにしてヴァータを急増させる結果になりかねません。
その理由を説明します。緑色野菜(ケール、カラード、ブロッコリー、モリンガ等々)はエクストラクティブの野菜です。その性質は、乾燥、軽い、荒い。ヴァータドーシャとぴったり同じ性質なのです。緑の濃い葉野菜は、適量なら毒素を排出させることができ、私たちを最高の状態にするのに役立っています。ですが十分なオーグメンティングの食べ物なしに葉野菜をとりすぎると、バランスの乱れが待っています。あっという間にガス、便秘、不安感、物事を完了させることができない、冷え、などの症状にみまわれることでしょう(詳しくはヴァータを静める食生活やヴァータを静める生活の記事をお読みください)。
真の健康、それは1日にどれだけたくさんの緑色野菜をとるかで決まるのではありません。真の健康は、バランスによって決まるのです。だからお皿をケールサラダで埋め尽くす前に、緑色野菜を食べる別の方法を探してみませんか。あなたがもっと満たされ、どっしりとグラウンディングできて落ち着く、そんな食べ方があるはずです。
ヴァータのバランスを整えるために緑色野菜に火を通す
緑色野菜は毎日食べるのが良いし、そうしながら心と体のバランスを保つことは簡単です。まず、緑色野菜(や豆類のようなその他すべてのエクストラクティブの食べ物)を全体の40%におさえます。残りの60%は、サツマイモや全粒の穀類などのオーグメンティングの食べ物で占めます。
次に、緑色野菜に油、スパイス、水を加えてやわらかくなるまで火を通します。緑色野菜はこの手順で消化が良くなり、ヴァータ・ドーシャに適した性質を帯びるようになります。アグニという消化の火が強いとヴァータは穏やかになり、命の流れもずっと楽になります。
今月のレシピはとても頼りになる緑色野菜の簡単調理法です。材料にはギー、生姜、コリアンダー、フェヌグリーク、ライムひと絞りを使用しました。スパイスと油を混ぜれば同じ味は二度と再現できません(アーユルヴェーダスパイスの組み合わせを読んでひらめきをどうぞ)。
緑色野菜のアーユルヴェーダの簡単お料理レシピ
エクストラクティブ
4人分
所要時間20〜25分
ここに記載する緑色野菜はわざときっちりと計量していません。もっと直感的に食事全体の20%を自分の手で計りましょう(さらに詳しくは栄養バランスが整うHale Puleヘルシーボウルをどうぞ)。緑色野菜の中でも、ビーツの葉のように、火を通すとカラードのようなしっかりとした葉野菜に比べてぐっとかさが減るものがあるのをお忘れなく。
材料
緑色野菜(カラード、ケール、ビーツの葉等、刻む) 4つかみ
ギー 大さじ2
生姜(みじん切り) 小さじ½
コリアンダーパウダー 小さじ¼
フェヌグリーク パウダー 小さじ¼
ミネラル塩 小さじ¼
ライム 小さめのライムの¼分(絞る)
手順
浅めのフライパンにギーを入れて蓋をして中火で熱します。
スパイスと塩を加えて香りがたつまで火にかけます。
緑色野菜を加えてよく混ぜて絡めます。
野菜の¼の高さまで水を加え、蓋をして弱火にかけます。
野菜がやわらかくなって、水分のほとんどが吸収されたら火を止めます(葉野菜の種類によりますが大体10〜20分程度)。
温かいうちにお皿によそいます。野菜から出てきたお汁も器に入れるのを忘れずに。この汁には栄養がたっぷり含まれています。