西洋では、朝食が最も大事な食事であると言われています。これは、アーユルヴェーダの観点から見ても本当のことです。
ブレックファースト(breakfast、朝食)は、その日に食べる最初のご飯です。この言葉の意味は、”break the fast(断食を破る)”です。夜の間は、食事を摂らず消化器系の内臓を休ませていた状態です。朝早い時間には、アグニ(消化の火)はくすぶった石炭のような状態です。この夜間の断食を気をつけて破ることで、くすぶった石炭をあなたの消化の役に立つ安定した炎にすることができます。
朝食に何を食べるかが、その日一日のアグニに影響します。重たい食べもの、例えば卵、ソーセージ、ナッツバターは、あなたの火の勢いをなくしてしまいます。冷たい食べもの、例えば スムージーやヨーグルト、冷たい牛乳は、あなたの消化の流れを制限し、その日一日のあなたのアグニの力を弱めます。トースト、シリアル、グラノーラなど、乾燥したカリカリの食べ物は、ヴァータを増加させます。ヴァータとアグニはお互いを助け合うこともあり、一方の不調和を作り出すこともあります。ですから、どちらか一方との関係をよくすれば、もう一方との関係も良くなります。
アグニにとって最善の選択はシンプルなことです。それは加熱調理した食事です。どんな朝にでも良い選択となるのが、お碗一杯の温かいポリッジです。
朝食にアーユルヴェーダ・ポリッジを作ってみよう
ポリッジというのは、穀物をトロッとしたお粥のような状態に調理したもののことを指します。典型的なオートミールから視野を広げ、どんな種類の穀物で試しても構いません。これから暑くなる季節には、消化のしやすい穀物(白米、そばの実、キビ)を摂ることで物事を軽くしてくれます。涼しい季節には、力強い穀物(大麦[バーリー]、玄米、ライ麦)を選び、”腹持ちの良さ”を感じましょう。
穀物をポリッジに調理する際の目安は、2人分で穀物½カップに対して水2〜3カップです。もう少し噛みごたえのある感じが欲しければ水を少なく、スープ状にして消化しやすくしたい場合は水を多めにします。ギーまたはオイル、ミネラル塩、スパイスを加え、使用する穀物によって30~45分ほど煮込みます。
アーユルヴェーダの簡単お料理レシピ「そばの実と玄米のポリッジ」
今月のレシピは、そばの実と玄米にアグニの炎を燃やすスパイスとギーを使って作るポリッジです。この穀物の組み合わせは、グラウンディングしやすく、かつ栄養豊かな力強いコンビネーションです。この一杯は、素敵な一日を始めるのにふさわしい料理です。また満足感も高いので、お昼ご飯まで間食をしなくてもすみます。
そばの実と玄米のポリッジ
2人分
材料(アメリカの1カップは約240ml)
そばの実 ¼カップ
玄米 ¼カップ
ミネラル塩 小さじ¼
ショウガパウダー 小さじ¼
シナモンパウダー 小さじ¼
フェンネルパウダー 小さじ¼
ひまわりの種 ¼カップ(アグニが弱っていたり、重いと感じるときには入れないようにしましょう)
ギー 小さじ1
水 2カップ
フラックスミール(亜麻仁の種を挽いたもの。調理後に加える)小さじ1
作り方:
ギーを鍋に入れて温め、塩とスパイス、ひまわりの種を加えます。
香りが立つまで熱したら、そばの実と玄米を入れます。
かき混ぜてから、中火で2分ほど火にかけます。
水を入れ、かき混ぜて蓋をします。
火を強め、沸騰させます。
沸騰したら、(お使いのコンロによって)中火か弱火にし、蓋をして穀物が柔らかくなるまで30〜40分間煮ます。 必要であれば、お好みの固さになるように水を足します。
フラックスミールをふりかけてお召し上がりください。
甘味を加えたバージョン:
オージャスを増やすためには、調理の終わる5分前に刻んだデーツを2つ分加えます。