ピッタの季節: あなたの「火」をやけどすることなくケアするヒント

 
 

「火」と「水」の間には調和に満たされた空間があります。ここで2つの対立するように思える元素は均質化されます。それぞれ盛衰しますが、決して相手を支配することはありません。これが「火」と「水」の元素に象徴されるピッタ・ドーシャのバランスが取れた状態です。 

湿潤でアーシーなカパの季節を快適に過ごす5つのヒントについては以前書いた通りですが、今回は焼け付くような暑いピッタの季節(5月中旬〜9月中旬)を心地よく過ごすヒントを紹介します。ピッタのもう1つの元素である水を意識することであなたの「火」を抑えることができます。

 ピッタ・ドーシャは新陳代謝と消化を司ります。「消化」というと一般的に食べ物の消化を想像するかもしれませんが、私たちは実は、感情や思考、自分を取り巻く環境も消化しています。ピッタはあらゆるものの消化を担当します。ピッタが食べ物や人生体験の消化のサポートをする過程で、取り込んだものを代謝するための熱が発生し、体が浄化されます。ピッタのバランスが崩れると、怒りや忍耐強さの欠如、非難・批判などの激しい感情や、火の要素と関連する健康状態の問題(体のほてり、胃酸の逆流、赤くて痒い湿疹、多汗症、口臭、〜炎)が現れることがあります。 

アーユルヴェーダの原則「似たものが似たものを引き寄せ、相反するものが調和をもたらす」がピッタ・ドーシャのバランスを整える鍵です。ピッタの季節は「中庸」を意識し、熱を涼しいもので和らげながら過ごすと体も心もクールでいられるでしょう。

以下にピッタの季節である夏に知っておくと役立つヒントを紹介します: 

  1. 瞑想。激しい感情を瞑想することで中和する。毎日瞑想する時間を作るようにしましょう。定期的に内側を見つめているうちに、リアクション(感情が引き金となって火花が散るように瞬時に現れる反応)とリスポンス(ハイヤーセルフとつながった状態で出るきちんと考えられた対応)を区別できるようになります。

  2. アーサナ(ヨガのポーズ)。涼しい時間帯にヨガのアーサナのプラクティスをする時間を設けましょう。夏に適したポーズは、激しすぎないリストラティブポーズで、クーリング作用のある前屈や、消化を促し消化管の熱を冷ましてくれるツイストなどです。早いペースのシークエンスやホットヨガなど激しすぎるアーサナで火を作りすぎないように(怪我のリスクとなることがあります。関連ブログ)しましょう。

  3. 呼吸法。ストレスや肉体の酷使によってオーバーヒートしてしまった時は、シータリーと呼ばれるシンプルなプラーナヤマ(呼吸法)のプラクティスを日常的に取り入れると良いでしょう。背筋を伸ばして姿勢良く座り、舌の両側を丸めて通り道を作り、ゆっくり息を吸います。手ではヴィシュヌ ムードラ(人差し指と中指を親指の下の膨らんだ部分に折り込む)を組み、右手の親指で右の鼻穴を閉じ、左側の鼻穴からスムーズに息を出します。これを3回もしくは6回、または9回繰り返します。舌を丸められない場合は、唇を広げて歯を噛み、合わせながら舌の表面を空気が通るように息を吸うと良いでしょう。

  4. きゅうりでクールダウン。ピッタの火を、苦味、渋味、甘味を持つ食べ物 を食べたり、ココナッツオイルや冷ます作用のあるミントやシラントロ(パクチー)などのハーブで和らげましょう。辛い食べ物、揚げ物や刺激的な食べ物(コーヒーを飲む習慣がある人は断つのにこれ以上良いタイミングはないでしょう。細長く切ったきゅうりを調理した野菜にプラスすると、食事に熱を冷ますクーリングのエネルギーを手早くかつ美味しく取り込むことができます。

  5. 甘い飲み物。ココナッツウォーターやミント、ローズ、ハイビスカスをブレンドしたハーブティーのように、甘味があり、熱を冷ましてくれる飲み物で体に十分な水分量を保ちましょう。暑い日には、水分補給ドリンクを楽しみましょう。喉の渇きを潤すための冷たい飲み物や食べ物は、逆にさらにバランスを乱してしまうことを覚えていてください。冷たい刺激はアグニ(消化の火)を消してしまいます。食べ物や飲み物は室温以上で楽しみましょう。

  6. 「程々」を何度でも自分にリマインド。ピッタのバランスが乱れていると極端な方向に行きがちです。自分の行動全てにおいて中庸、バランスを見つけましょう。 夜は10時前に就寝(10時~はピッタの時間なのでそれ以降起きていると寝付きにくくなります。)し、日の出前に目覚めるのが理想です。真昼の太陽は避け、瞑想や呼吸法でストレス管理をしましょう。さらに自分に優しくする方法を見つけることも大切です。Hale Puleのお気に入りはクーリング(冷ます)効果のあるココナッツオイルやハーブのオイルを使ったアビヤンガ です。あなたに合ったオイルをコンサルテーションでおすすめすることができます。

アーユルヴェーダとヨガの道を歩みながらバランスを整えていくにあたって、私たちは量が異なるだけで3つのすべてのドーシャを持ち合わせていることを覚えておきましょう。あなたにとってピッタが優勢なドーシャでない場合も、ピッタのアンバランスによる症状が起きる可能性があるということです。そのような症状を自覚したら、今回の投稿で紹介したヒントを活用しながら食生活やライフスタイルを調整してみてください。暑い夏(もちろん他の季節も)を快適に過ごせるでしょう。

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