消化するとはどういうことでしょうか。この概念を、単に食べたものを栄養に変える過程、と定義するのは簡単です。しかし、私たちはホリスティックな存在ですから、消化はホリスティックなレベルで行われることになります。お皿の上であれ、生活の中であれ、私たちが経験することはすべて、それを利用できる状態に変換されなければならないのです。
ピッタ・ドーシャは、身体と心の消化を司るドーシャです。このドーシャは、ご飯を体の栄養に変えるように、体験をsamskara サムスカーラ（残存印象）に変えます。経験が適切に消化されれば、つまり感情的な反応を受け入れることができれば、古いサムスカーラを取り除き、よりポジティブで新しいサムスカーラを作り出し、自分の道を導くことができます。しかし、もしあなたが過去の何かにとらわれたり、経験を十分に消化しないまま過去の風を吹かせたりすると、新しいサムスカーラが生まれ、人生を前進させることが難しくなります。
ピッタのバランスがとれているときは、食べ物や経験を楽に消化することができます。しかし、バランスが崩れると、火が燃えすぎて、食べ物が体内で利用される前に排出されたり、感情が脇に追いやられて、次のことに集中できなくなります。ピッタのバランスが悪いと、心身ともに真の健康を享受する機会が奪われてしまいます。ピッタを穏やかに保つことで、完全に消化された人生の満足感を味わうことができるようになるのです。
生活習慣でピッタを落ち着かせる
ピッタと良好な関係を保つには、ピッタのバランスを整える食事をすることと同様に、ピッタが熱く燃えすぎないような生活習慣を築くことが大切です。適切なviharヴィハーラ（ライフスタイル）を築くことは、ドーシャのバランスを保つために最も重要なことの一つです。ピッタの熱く鋭い性質は、感情を冷まし、安らぎを促すような実践によってバランスが保たれます。
ピッタのバランスを整えるための生活習慣をご紹介します。
ゆっくりと人生の繊細な部分に目を向けてください。咲き誇る花の香りを嗅いだり、甘いアロマオイルの香りを楽しんだりする時間を持ちましょう。
生活をシンプルにする。一歩一歩を楽しみ、一度に多くのことを抱え込まないようにしましょう（たとえ、自分では何とかなると思っていても）。人生は完璧なタイミングで展開するという信頼を培うこと。
月明かりを多く浴び、太陽に当たる時間を減らす。真昼の太陽に当たらないようにしましょう（避けられない場合は帽子をかぶりましょう）。夕方には、月明かりとその涼しい月のエネルギーを楽しむ時間を持ちましょう。
内観する。時間をかけて毎日の 瞑想を実践する ことで、本当の自分に出会い、自分の経験をありのままに見る時間ができ、人生の消化方法が改善されます。1日5分でも大きな違いがあります。
遊びの時間を見つけよう。休息時間を作りましょう。問題を解決することよりも、自分が存在することに集中できるような、気楽で楽しい活動を見つけましょう（最終目標のない芸術や音楽は素晴らしい選択肢です）。そして、自分自身に微笑みかけることを忘れないでください！
ストレスはポジティブに管理しましょう。ピッタ体質の人は、パワーのある仕事に魅力を感じる人が多いのですが、日々のストレスが続くとピッタは限界に達してしまいます。余計なストレスを与えず、精神力を発揮できるような仕事を探しましょう。ストレスが溜まったら、呼吸を意識したり、シロダーラやスネハンなどの アーユルヴェーダのトリートメントを受けるなどして、バランスを取り戻しましょう。
pranayama プラーナヤーマ（調気法）の種類であるshitali シータリーや sitkari シータカーリーの実践は、ピッタのバランスをとるために古くから実践されてきました。ピッタが優勢なときには、瞑想の前にこれらのプラーナヤーマを行うとよいでしょう。シータリーは、背筋を伸ばして座り、舌の側面を丸めて、舌の表面に空気を送りながらゆっくりと息を吸います。舌を巻くことができない場合は、舌の先を下の歯の内側に当て、舌の表面に空気を吸い入れます（シータカーリー）。右手をVishnu mudraヴィシュヌ・ムードラ（人差し指と中指を親指の腹に当てる）にして、右手の親指で右の鼻の穴を塞ぎます。左の鼻の穴から吸った息の2倍の長さを、スムーズにゆっくりと吐き出します。これを3回、6回、9回と繰り返す。最終的には、この練習に保持が追加されますが、これはプラーナヤーマの経験豊富な教師の指導の下で学ぶのが最善です。